ノーザンファームの野望か?|アーモンドアイとの4年間(7)
この項も私の妄想の産物です。
だいぶ前のことです。仙台近くの山元トレセンに見学に行きました。当時の出資馬テレグノシスの見学が主目的ですが、ローエングリンも見せてもらえました。マネージャーさんは「名馬の姿かたちをよく見ておいて、今後の出資の参考にしてね」とにこやかに。テレグノさんとローエンと、フランスのドーヴィルでも、種牡馬入りしたレックススタッドでも一緒でしたね。あ~懐かしや。ポリトラックの周回コース、その周回コースを串刺しにするように伸びる坂路、クラブハウスのテラスからは調教の様子が一望できます。厩舎地区にはウォーキングマシン、調教後のアフターケアをする脚部の冷却施設や、温熱治療器みたいな整形外科のリハビリルームの馬版?というものでした。放牧といっても、広い放牧地に開放されるのではなく、全て厩舎で管理されて、トレセンとは異なる調教が為されているのですね。そして、その調教、治療、とりわけ飼料のメニューは、牧場によって異なる、お互いに企業秘密、というのです。同じ施設に在厩している馬でも社台ファームとノーザンファームで全く異なる管理だったのですね。グループ内でも熾烈な競争原理が働いているのです。それゆえノーザンは自分たちだけの外厩を早く作りたかったでしょうね。
早田牧場と提携していたシルクは、早田牧場の破綻とともに勢いを失っていきました。天栄ホースパークという立派な施設も保有していましたが。そこに、ノーザンが手を貸す形で業務提携=ノーザン産馬を募集ラインナップに入れてクラブを立て直し、そして天栄ホースパークをノーザンの外厩として機能させようと。お互いウインウインの関係で、シルク~ノーザン~天栄の現在の形が出来たのだと思われます。ノーザンは関西には既に「しがらき」を外厩として活用していて、その効果は顕著でした。この一連のノーザンファーム天栄開業に向けて、不動産業の経験がある米本代表が大活躍したのでしょう。
トレセンと外厩について、ある厩舎の調教助手に興味深い話を聞いたことがあります。まだ外厩などが一般的になる前のころです。トレセン内の厩舎は調教コースに近い遠いでも馬への影響には差があるというのです。「レースの前後の馬はピリピリしていて、そういう馬が行き来するコースに近い厩舎の馬はテンションが上がりやすい。また遠いところの馬は馬場入りするのに長い距離を歩くことになり、結果多くの馬とすれ違ったりして、他馬の影響を受けることもある。なかなかちょうどいい塩梅での厩舎の立地条件がね~。〇〇厩舎は最高だし、××厩舎はちょっとかわいそうだね」その方のお話を思い出すと、外厩の効果について示唆されるような興味深いことが含まれていたように思えます。
最近あちこちでノーザンファームの使い分けを聞きます。それは果たしてアリなのでしょうか? 私はアリだと思っています。どの馬もその馬の能力を最大限発揮できるレースを選択するのは当然です。さらに牧場としては種牡馬ビジネスに寄与=男馬の活躍が一番望ましいのです。桜花賞の祝賀パーティーで吉田勝己さんは「男の子だったらね~」と仰っていられました。社台グループ、ノーザンファーム産の男馬の活躍を優先するレース選択が最優先になされるのは必然です。古馬になってから、アーモンドアイも結果的には自分が勝っていますが、他牧場の男馬との対決(潰し)に臨んでいったように思います。ドバイだって、もし凱旋門賞を狙うなら、2400のシーマクラシックを選択するのが道理。レイデオロの勝利を優先するために1800のターフになったのでしょう。結果的には良かったわけですが。帰国後の安田記念もインディチャンプではダノンプレミアム(ケイアイファーム産)に勝てない可能性が高いので、アーモンドアイが潰しに行ったのでは? 2019年香港選択も、JCでもノーザン男馬勢、特にレイデオロ(?)に勝たせたかったため、アーモンドアイは香港カップになったのでは? あくまでも推測ですが、こうした使い分けで牡牝混合のレースでは、アーモンドアイのような牝馬の優先度は高くなかったのでは、と思います。ただ、グランアレグリアやクロノジェネシスなど4歳世代でも牝馬の活躍が目立っています。なかなか思う通りの男馬優先の使い分けは難しくなっているのが実情ではないでしょうか。
凱旋門賞遠征は早い時期から避けようとしていたように思います。5歳時のレースを見ても、まだまだ行けそうな気もしますが、ヨーロッパの重い馬場、特に昨年の泥田のようなコースに適性は厳しいのではないでしょうか。日本のどの馬にしてもです。そんな馬場で勝っても、果たして価値あるものになるのでしょうか? 遠征したフィエールマン以下は過酷な貧乏くじを引かされたように思います。なので、その後はフィエールマン優先のレース選択が為されるのではないでしょうか。秋華賞だったかJC2206だったか祝賀会で米本代表が「(海外遠征は)ドバイならいいですよね!?」といろんなテーブルで会員と話しておりました。クラブの規約では海外への遠征費用は会員負担です。おそらく全一口クラブがそうでしょう。勝っても賞金は入るけど、引退後の繁殖としての価値は、男馬ならものすごく上がるけど、牝馬は規約通りです。生産牧場が繁殖牝馬として募集時の1割で買い戻してくるのです。G1馬でも未勝利馬でも同率です。(シルクの場合)それを考えると、会員のリスクは牝馬の方が大きいかと思います。ドバイなら招待レースで遠征費用はほぼ不要だし、勝って巨額の賞金を手にすれば、凱旋門賞遠征の費用負担も「まあいいか」となるではないでしょうか。両面をにらんでのドバイ遠征、凱旋門賞回避となったように思うのです。米本代表は出資会員の経済的負担を相当考慮したのでしょう。国枝先生は相当落胆されていたとは思いますが。
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この項も私の妄想の産物です。
だいぶ前のことです。仙台近くの山元トレセンに見学に行きました。当時の出資馬テレグノシスの見学が主目的ですが、ローエングリンも見せてもらえました。マネージャーさんは「名馬の姿かたちをよく見ておいて、今後の出資の参考にしてね」とにこやかに。テレグノさんとローエンと、フランスのドーヴィルでも、種牡馬入りしたレックススタッドでも一緒でしたね。あ~懐かしや。ポリトラックの周回コース、その周回コースを串刺しにするように伸びる坂路、クラブハウスのテラスからは調教の様子が一望できます。厩舎地区にはウォーキングマシン、調教後のアフターケアをする脚部の冷却施設や、温熱治療器みたいな整形外科のリハビリルームの馬版?というものでした。放牧といっても、広い放牧地に開放されるのではなく、全て厩舎で管理されて、トレセンとは異なる調教が為されているのですね。そして、その調教、治療、とりわけ飼料のメニューは、牧場によって異なる、お互いに企業秘密、というのです。同じ施設に在厩している馬でも社台ファームとノーザンファームで全く異なる管理だったのですね。グループ内でも熾烈な競争原理が働いているのです。それゆえノーザンは自分たちだけの外厩を早く作りたかったでしょうね。
早田牧場と提携していたシルクは、早田牧場の破綻とともに勢いを失っていきました。天栄ホースパークという立派な施設も保有していましたが。そこに、ノーザンが手を貸す形で業務提携=ノーザン産馬を募集ラインナップに入れてクラブを立て直し、そして天栄ホースパークをノーザンの外厩として機能させようと。お互いウインウインの関係で、シルク~ノーザン~天栄の現在の形が出来たのだと思われます。ノーザンは関西には既に「しがらき」を外厩として活用していて、その効果は顕著でした。この一連のノーザンファーム天栄開業に向けて、不動産業の経験がある米本代表が大活躍したのでしょう。
トレセンと外厩について、ある厩舎の調教助手に興味深い話を聞いたことがあります。まだ外厩などが一般的になる前のころです。トレセン内の厩舎は調教コースに近い遠いでも馬への影響には差があるというのです。「レースの前後の馬はピリピリしていて、そういう馬が行き来するコースに近い厩舎の馬はテンションが上がりやすい。また遠いところの馬は馬場入りするのに長い距離を歩くことになり、結果多くの馬とすれ違ったりして、他馬の影響を受けることもある。なかなかちょうどいい塩梅での厩舎の立地条件がね~。〇〇厩舎は最高だし、××厩舎はちょっとかわいそうだね」その方のお話を思い出すと、外厩の効果について示唆されるような興味深いことが含まれていたように思えます。
最近あちこちでノーザンファームの使い分けを聞きます。それは果たしてアリなのでしょうか? 私はアリだと思っています。どの馬もその馬の能力を最大限発揮できるレースを選択するのは当然です。さらに牧場としては種牡馬ビジネスに寄与=男馬の活躍が一番望ましいのです。桜花賞の祝賀パーティーで吉田勝己さんは「男の子だったらね~」と仰っていられました。社台グループ、ノーザンファーム産の男馬の活躍を優先するレース選択が最優先になされるのは必然です。古馬になってから、アーモンドアイも結果的には自分が勝っていますが、他牧場の男馬との対決(潰し)に臨んでいったように思います。ドバイだって、もし凱旋門賞を狙うなら、2400のシーマクラシックを選択するのが道理。レイデオロの勝利を優先するために1800のターフになったのでしょう。結果的には良かったわけですが。帰国後の安田記念もインディチャンプではダノンプレミアム(ケイアイファーム産)に勝てない可能性が高いので、アーモンドアイが潰しに行ったのでは? 2019年香港選択も、JCでもノーザン男馬勢、特にレイデオロ(?)に勝たせたかったため、アーモンドアイは香港カップになったのでは? あくまでも推測ですが、こうした使い分けで牡牝混合のレースでは、アーモンドアイのような牝馬の優先度は高くなかったのでは、と思います。ただ、グランアレグリアやクロノジェネシスなど4歳世代でも牝馬の活躍が目立っています。なかなか思う通りの男馬優先の使い分けは難しくなっているのが実情ではないでしょうか。
凱旋門賞遠征は早い時期から避けようとしていたように思います。5歳時のレースを見ても、まだまだ行けそうな気もしますが、ヨーロッパの重い馬場、特に昨年の泥田のようなコースに適性は厳しいのではないでしょうか。日本のどの馬にしてもです。そんな馬場で勝っても、果たして価値あるものになるのでしょうか? 遠征したフィエールマン以下は過酷な貧乏くじを引かされたように思います。なので、その後はフィエールマン優先のレース選択が為されるのではないでしょうか。秋華賞だったかJC2206だったか祝賀会で米本代表が「(海外遠征は)ドバイならいいですよね!?」といろんなテーブルで会員と話しておりました。クラブの規約では海外への遠征費用は会員負担です。おそらく全一口クラブがそうでしょう。勝っても賞金は入るけど、引退後の繁殖としての価値は、男馬ならものすごく上がるけど、牝馬は規約通りです。生産牧場が繁殖牝馬として募集時の1割で買い戻してくるのです。G1馬でも未勝利馬でも同率です。(シルクの場合)それを考えると、会員のリスクは牝馬の方が大きいかと思います。ドバイなら招待レースで遠征費用はほぼ不要だし、勝って巨額の賞金を手にすれば、凱旋門賞遠征の費用負担も「まあいいか」となるではないでしょうか。両面をにらんでのドバイ遠征、凱旋門賞回避となったように思うのです。米本代表は出資会員の経済的負担を相当考慮したのでしょう。国枝先生は相当落胆されていたとは思いますが。
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この項も私の妄想の産物です。
だいぶ前のことです。仙台近くの山元トレセンに見学に行きました。当時の出資馬テレグノシスの見学が主目的ですが、ローエングリンも見せてもらえました。マネージャーさんは「名馬の姿かたちをよく見ておいて、今後の出資の参考にしてね」とにこやかに。テレグノさんとローエンと、フランスのドーヴィルでも、種牡馬入りしたレックススタッドでも一緒でしたね。あ~懐かしや。ポリトラックの周回コース、その周回コースを串刺しにするように伸びる坂路、クラブハウスのテラスからは調教の様子が一望できます。厩舎地区にはウォーキングマシン、調教後のアフターケアをする脚部の冷却施設や、温熱治療器みたいな整形外科のリハビリルームの馬版?というものでした。放牧といっても、広い放牧地に開放されるのではなく、全て厩舎で管理されて、トレセンとは異なる調教が為されているのですね。そして、その調教、治療、とりわけ飼料のメニューは、牧場によって異なる、お互いに企業秘密、というのです。同じ施設に在厩している馬でも社台ファームとノーザンファームで全く異なる管理だったのですね。グループ内でも熾烈な競争原理が働いているのです。それゆえノーザンは自分たちだけの外厩を早く作りたかったでしょうね。
早田牧場と提携していたシルクは、早田牧場の破綻とともに勢いを失っていきました。天栄ホースパークという立派な施設も保有していましたが。そこに、ノーザンが手を貸す形で業務提携=ノーザン産馬を募集ラインナップに入れてクラブを立て直し、そして天栄ホースパークをノーザンの外厩として機能させようと。お互いウインウインの関係で、シルク~ノーザン~天栄の現在の形が出来たのだと思われます。ノーザンは関西には既に「しがらき」を外厩として活用していて、その効果は顕著でした。この一連のノーザンファーム天栄開業に向けて、不動産業の経験がある米本代表が大活躍したのでしょう。
トレセンと外厩について、ある厩舎の調教助手に興味深い話を聞いたことがあります。まだ外厩などが一般的になる前のころです。トレセン内の厩舎は調教コースに近い遠いでも馬への影響には差があるというのです。「レースの前後の馬はピリピリしていて、そういう馬が行き来するコースに近い厩舎の馬はテンションが上がりやすい。また遠いところの馬は馬場入りするのに長い距離を歩くことになり、結果多くの馬とすれ違ったりして、他馬の影響を受けることもある。なかなかちょうどいい塩梅での厩舎の立地条件がね~。〇〇厩舎は最高だし、××厩舎はちょっとかわいそうだね」その方のお話を思い出すと、外厩の効果について示唆されるような興味深いことが含まれていたように思えます。
最近あちこちでノーザンファームの使い分けを聞きます。それは果たしてアリなのでしょうか? 私はアリだと思っています。どの馬もその馬の能力を最大限発揮できるレースを選択するのは当然です。さらに牧場としては種牡馬ビジネスに寄与=男馬の活躍が一番望ましいのです。桜花賞の祝賀パーティーで吉田勝己さんは「男の子だったらね~」と仰っていられました。社台グループ、ノーザンファーム産の男馬の活躍を優先するレース選択が最優先になされるのは必然です。古馬になってから、アーモンドアイも結果的には自分が勝っていますが、他牧場の男馬との対決(潰し)に臨んでいったように思います。ドバイだって、もし凱旋門賞を狙うなら、2400のシーマクラシックを選択するのが道理。レイデオロの勝利を優先するために1800のターフになったのでしょう。結果的には良かったわけですが。帰国後の安田記念もインディチャンプではダノンプレミアム(ケイアイファーム産)に勝てない可能性が高いので、アーモンドアイが潰しに行ったのでは? 2019年香港選択も、JCでもノーザン男馬勢、特にレイデオロ(?)に勝たせたかったため、アーモンドアイは香港カップになったのでは? あくまでも推測ですが、こうした使い分けで牡牝混合のレースでは、アーモンドアイのような牝馬の優先度は高くなかったのでは、と思います。ただ、グランアレグリアやクロノジェネシスなど4歳世代でも牝馬の活躍が目立っています。なかなか思う通りの男馬優先の使い分けは難しくなっているのが実情ではないでしょうか。
凱旋門賞遠征は早い時期から避けようとしていたように思います。5歳時のレースを見ても、まだまだ行けそうな気もしますが、ヨーロッパの重い馬場、特に昨年の泥田のようなコースに適性は厳しいのではないでしょうか。日本のどの馬にしてもです。そんな馬場で勝っても、果たして価値あるものになるのでしょうか? 遠征したフィエールマン以下は過酷な貧乏くじを引かされたように思います。なので、その後はフィエールマン優先のレース選択が為されるのではないでしょうか。秋華賞だったかJC2206だったか祝賀会で米本代表が「(海外遠征は)ドバイならいいですよね!?」といろんなテーブルで会員と話しておりました。クラブの規約では海外への遠征費用は会員負担です。おそらく全一口クラブがそうでしょう。勝っても賞金は入るけど、引退後の繁殖としての価値は、男馬ならものすごく上がるけど、牝馬は規約通りです。生産牧場が繁殖牝馬として募集時の1割で買い戻してくるのです。G1馬でも未勝利馬でも同率です。(シルクの場合)それを考えると、会員のリスクは牝馬の方が大きいかと思います。ドバイなら招待レースで遠征費用はほぼ不要だし、勝って巨額の賞金を手にすれば、凱旋門賞遠征の費用負担も「まあいいか」となるではないでしょうか。両面をにらんでのドバイ遠征、凱旋門賞回避となったように思うのです。米本代表は出資会員の経済的負担を相当考慮したのでしょう。国枝先生は相当落胆されていたとは思いますが。
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